貢ぎたいという真理はどこから来るのでしょうか??
それは必要とされたいという気持ちの現われだと思っていました…
結局、人の心というのはよくわからないのです…

私がホストを目指したときに…
ついつい…貢いでしまうDVを受けている女性から依頼の手紙を頂いたことがあります…

私はそれなりに変態を自負しておりましたが…
同級生が学生運動に傾倒していくなかで「筆は剣よりも強し!!」と叫んで…
機動隊と学生の間に入り特大の筆と半紙をもって現代でいうところの書道パフォーマンスをやろうとしたところ…
放水車に勢いよく放水された勢いで半紙が張り付き…
まるでトイレのように流されたこともある私にとって…
いわれのない暴力に屈する苦しさを十二分に知っていました…

そんな私に抵抗できない女性を殴ることは…
どうしてもできませんでした…
「飴と鞭」を使い分けることが一流ホストの腕であることはわかっていたのですが…

私に出来る「鞭」は…女性を掛け軸の如く…
くるくると衣服を裸に剥いて貼り付けにして…
コレクションしていた複数の羊毛筆を両手にもって…
書道で鍛えた絶妙な筆圧で全身を撫で回し…
くすぐりの刑に処することくらいが限界なのでした…
私のくすぐり攻めで…笑い声と悲鳴を交互に上げて…
最後は言葉にならないうめき声を上げるだけの肉塊に成り果て…
失禁する女性も多数いました…

「鞭」を与えたら「飴」も与えなくてはなりません…
くすぐられ過ぎて敏感になり過ぎて…
だらりと垂れた体に…
無防備に湿気と熱を帯びて赤黒く充血してしまった割れ目に筆の柄を突き入れると…
全身から湧き出た快楽の粒が秘部に集まり肥大化し…
背骨を伝って脳までゆっくりと鳥肌を伴って登っていくのです…
その快楽は果てたあとも続き…
筆でかき回すたびに増幅されていくのです…
声も上げれなくなると…
涙を流し…
飴なのか鞭なのかもわからない…
ただ…快楽の檻に閉じ込められてしまうのです…

元々…書道家になるために購入した筆と何年も鍛えた技術をこのようなことに使うのは屈辱でしたが…
SNSの発展もない時代にどの会派にも属さず…
ただ一人で時勢も見ず独学で情熱だけをぶつけた書が売れるはずもなく…
書道をする時間を作るために…
食っていくために始めたホストは自分の心を蝕んでいきました…
いつしか私は…
筆でくすぐり攻めをする際も「筆は剣よりも強し…!!筆は剣よりも強し…!!」と叫びながら半狂乱で…
自由に書をしたためることのできぬ怒りに心が蝕まれていったのです…

病んでいく私とは対象的に…
くすぐり責めは口コミで広がり複数のお客さんがつくようになり…
金銭的な余裕ができてきたのですが…
その時は私も病んでいたからか…
一番最初についたDVに悩んでいたお客さんに恋をしてしまったのです…
今思うと一番会う回数が多かったので恋愛感情というよりも単純接触効果だったのかもしれません…
私はお客さんと恋をして身を滅ぼした作家やホストの話は聞いておりましたから…
絶対にお客さんと恋をしてはいけないと心に決めていたのです…

それでも禁断の恋をしてしまった私は…
彼女をDVや貢ぐことから救おうと何度も説得しました…
「君は今のままじゃサンドバックATMだよ!!」と言っても彼女は逆上するばかりでしたので…
彼女にも恋心があることを信じて「今…君は快楽に支配されているだけで…それでは本当に僕を好きだとは言えないよ…」と訴えても受け入れてもらえず…
怒り狂った私は再び彼女を縛り付け…
くすぐり攻めの罰を与えるという悪循環に陥ってしまいました…

ある時…くすぐり責めに興じていると発狂し…
よじれた背中から見えた…
彼女の消えないDVの跡をみると…
出会った頃に言っていた…
「彼に必要とされていると思うと…あんなに嫌だったDVの跡もその時は愛しく思えてしまうの…」という言葉を思い出したのです…
私は背中のDVの跡をそっと筆でなぞり彼女を興ざめさせると…
「もう…金も…書道をする時間も手に入れた…君がいてくれたらそれで良いんだ…僕には君が必要なんだ…」と素直に本心を打ち明けたのです…

しかし…彼女は「そういうのじゃないんだよ!!」と吐き捨てると…
心なしか優しく縛ってしまった縄を抜けて…
そそくさと服を直して勢いよく扉を締めて出ていってしまいました…
力なく筆を落とした私はしばらく立ち尽くしてしまいました…

それから彼女に会うことは一度もなく月日は流れていきました…
私も書道家として認められ…
ホスト稼業も卒業し結婚もしました…
彼女のことを思い出すことはなくなりましたが…
嫁と散歩にでかけた際にばったりと彼女にあったのです…
薄めのメイクであの時よりも歳をとってるはずなのに幼く見えた彼女は…
とても楽しそうに男性と仲良く話しながら手を繋いで歩いていました…
私は彼女と目を合わせると立ちすくんでしまいましたが…
彼女は耳元で「筆は剣よりも強し…」とそっと囁くと私の背中を絶妙なタッチで撫で上げて去っていったのでした…

岡山ネイロ堂。さんで米早食展が開催されます…!!
11月5日(日)は米も在廊します…!!
全国の書道ファンの皆様…!!
ぜひお越しください!!

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