「プロレスで幸せになるにはどうしたらいいですか??」
これはある青年レスラーに尋ねられた言葉でした。
その場では応えられませんでしたが現在は魔苦教を布教する宗教活動家として応えていこうと思います。
当時、私はノーギャラで試合をするようないわばアマチュアでしたのでプロレスラーとして活動している人に対してプロレスの内容として答えを出したとしても受け入れられないだろうと考えていましたが、よくよく考えてみると質問の内容が「幸せ」に関するものでした。
「幸せ」というテーマは宗教が得意とする分野でありますし全ての人に有意義な答えであると思いますし答えてみようと思いました。
幸せとはなにか??
まず、第一に「幸せ」の定義を考えることが重要だと思います。
私は「幸せ」という言葉は名詞として使われていますが、本来は形容詞として使われるべき「状態を表す言葉」だと思っています。
例えば、空腹は最大の調味料と言われていますが、それは腹が減っているからこそ食べ物が美味しく感じられるからです。
フォアグラを作るために強制的に餌を詰め込まれているアヒルには、どんな美味しいものを出しても食べたいと思わないでしょう。
「幸せ」と「不幸せ」についても同じことが言えます。
空腹が満たされるように、「できなかったことができるようになった喜び」のような一時的な幸福感はどんな分野でも得られると思いますが、常に「幸せ」でいられるということはありません。
彼が求めているのは一時的な「喜び」という「幸せ」ではなく、常に「幸せ」でいたいということだと思います。
もし常に「幸せ」に近い状態というものがあるとすれば、それは極端にストレスの少ない状態だと思いますが、それも本当の「幸せ」ではないでしょう。
夢追い人は妄執に犯されがち?
プロレスラーは夢を売る職業だと言われますが、夢というものは幸せと同じくらい不確かなものです。
私はプロレスファンでしたが、プロレスの舞台裏を知ってしまいました。
プロレスの試合は観客を沸かせるために演出されているだけで、チケットも招待券で埋められていることが多いのです。
プロレスも芸能界もハッタリの世界で、レスラーも芸能人も普通の人間に過ぎませんが、特別な人間に見えるようにしているのです。
プロレスラーになりたいと思った人はみんなプロレスファンだったはずですが、夢の世界に住みたいという願望からプロレスラーを目指したのでしょう。
しかし、プロレスは「プロ」なのですから仕事です。
どんな仕事でも理想と現実にはギャップがありますが、プロレスラーは自分自身を商品として売らなければならないので、そのギャップは他の仕事よりも大きいのです。
夢に魅せられて夢を見て夢が嘘だと気づいたら、幸せも嘘だと気づくかもしれませんが、人間は自分を否定したくないので、存在しないものを存在するように信じたり作り出したりするのでしょう。
幸せに近づくには
最初に恒常的な「幸せ」は存在しないものだと書きましたが、それに近いものがあるとするなら出来るだけストレスの無い生活なのではないかと私は思います。
飛び上がるような幸せは無いですが苦しみも無いという状態が恒常的な「幸せ」に近いでしょう。
質問の「プロレスで幸せになるにはどうしたらいいですか??」という言葉を見てもプロレスをすることにストレスを感じているということがわかります。
では何故ストレスが発生するのでしょうか??
それは「目的と手段」が同じでは無いからです。
例えるならば自販機でコーラが欲しいのに毎回ミネラルウォーターのボタンを押しているようなものです。
とんでもないストレスであることが想像できます。
彼がプロレスをする目的は何なのでしょうか…??
①承認欲求を満たすため
②お金を稼ぐため
③プロレスをするのが好きだから
④お客さんに楽しんで欲しい
⑤モテたい
などなど沢山の目的があると思います。
①承認欲求を満たしたいならSNSで良いね稼ぎをすればいいですし
②お金を稼ぎたいなら確実に給料がもらえる仕事をするべきです
③プロレスが好きなら仲間を集めてプロレスごっこをすればいいし
④お客さんに楽しんで欲しいなら接客業などすればいいです
⑤モテたいなら風俗に行けば良いのです
このように目的がハッキリしていて手段が同じならどの項目も殆どストレスは存在しないはずです。
プロレスにこの①~⑤それ以上にあるであろう目的に全てを求めるから行動と手段が一致しないのです。
プロレスというものが目的を包括しているように見えるのでプロレスをしてしまうのですが、実際は割合だと思います。
ですのでストレスを無くすためにはプロレスを辞めるのが一番早いのですが、次にストレスが少ないのが目的を一つに絞ることです。
器用な方であれば投資をする際にポートフォリオを組むようにパーセンテージに合わせて行動をすれば良いのでしょうが、そのような行いは難しく現実的では無いと思います。
私の場合はプロレスを大体1日これくらいもらえるという日雇い労働であると捉えてから格段にストレスが減ったのですが目的を絞ればプロレスに内在する沢山の手段も絞れますのでぜひ試してもらいたいと思います。
もちろんプロレスで大きい舞台に立ちたい(承認欲求に近いでしょうか)という目的なのであれば、また手段が変わってきますがそれには機会に恵まれる必要がありますし、先程例に上げた自販機で例えるとどのボタンを押したらどのジュースが出てくるか分からない自販機でジュースを買い続ける必要があります。
又、目的を絞っても手段に確実性が無いならばその手段は選択肢から外すべきです。
まとめ
「幸せ」になるためにどうしたら良いかと問われたら…
①恒常的な「幸せ」は「天国」のように存在しないものだと理解する
②幸せに限りなく近づきたいならストレスを減らす
③ストレスを減らすためには「目的と手段」を同じにする
④「目的と手段」が複数あるテーマに取り組むなら目的を絞る
⑤目的を絞れないなら辞める
これが魔苦教の教えです。
「幸せ」が存在しないので「幸せ」になることはできないがストレスを減らし「幸せ」に出来るだけ近づく方法です。